酒類販売業を営むためには、所轄税務署長の許可(酒類販売業免許)が必要です。 しかし、免許を取得すれば終わりではありません。販売事業者には「酒類販売管理者」を選任し、その管理者が定期的に「酒類販売管理研修」を受講する義務があります。
この記事では、「酒類販売管理研修」に関して
・どこで受講できるのか
・内容や費用・経費処理はどうなっているのか
・いつ受ければいいのか
・選任後の手続きは
などのよくあるご質問を行政書士の立場からわかりやすく解説します。
酒類販売管理研修とは?
酒類販売管理研修とは、酒類の適正な販売を目的として、販売事業者が選任する「酒類販売管理者」に対して行われる講習です。 研修は、「全国小売酒販組合中央会」などの団体が実施しています。
酒類販売管理者とは?(役割と選任要件)
酒類を販売する店舗(販売場)ごとに、必ず1名以上の「酒類販売管理者」を選任する必要があります。
👉酒類販売業免許の取得から維持管理までの全体像については、基礎知識のページもあわせてご確認ください。

管理者の主な役割
酒類販売管理者は、店舗運営における「お酒の責任者」です。
・20歳未満の者への販売防止の徹底
・販売従業員への指導・教育
・販売記録・掲示物(標識等)の管理
・法令遵守の確認・事業者への必要な助言・指導
※酒類小売業者は、酒類販売管理者が行う助言を尊重しなければなりません。
誰を選任できる?
過去3年以内に「酒類販売管理研修」を受講した者の中から選任します。 法人である場合はその役員自身や、販売業務に従事する従業員から選任することが可能です。
酒類販売管理者の実務上のルール・届出義務
国税庁の手引きにより、選任や店舗運営に関して以下の法的ルールが定められています。
1. 選任・解任後「2週間以内」の届出義務
酒類販売管理者を選任(または解任)したときは、2週間以内に「酒類販売管理者選任(解任)届出書」および研修受講証の写しを、所轄税務署長に提出しなければなりません。
※この届出を怠った場合、10万円以下の過料に処されることがあります。
2. 責任者の配置が必要なケース(夜間営業・大規模店舗など)
適正な販売管理を確保するため、酒類販売管理者が不在になる場合などは、「責任者(原則として成年者)」を指名・配置する必要があります。
・夜間営業:午後11時〜翌日午前5時に酒類販売を行う場合
・常態的な不在:酒類販売管理者が2〜3時間以上不在となる場合
・売り場面積:酒類売り場が100平方メートルを超えるごと(100平方メートルごとに1名以上)
・複数階
・点在:階が分かれている場合(各階1名以上)や、同一階で売り場が20m以上離れている場合
3. 標識の掲示義務
販売場の公衆の見やすい場所(通販の場合はWebサイトやカタログ等)に、店舗名、管理者名、受講年月日、次回受講期限などを記載した「標識」を掲示する義務があります。
研修の内容と所要時間
研修は2時間〜3時間程度で行われることが多く、次のような内容が中心です。
- 酒類販売管理者制度の概要
- 酒類販売に関する法令(酒税法、酒類業組合法、二十歳未満ノ者ノ飲酒ノ禁止ニ関スル法律、アルコール健康障害対策基本法など)
- 飲酒による健康被害や社会的影響
- 店舗での表示・広告の留意点
- 適正販売のための実務管理
講習の最後には、理解度確認のための簡単なテストが行われますが、講義を聞いていれば十分に合格できる内容です。
受講場所と申込み方法
酒類販売管理研修は、財務大臣の指定を受けた研修実施団体(全国小売酒販組合中央会、各都道府県の小売酒販組合など)が実施しており、開催日程・会場・申込方法は地域によって異なります。研修の実施予定は、国税庁ホームページの「酒類販売管理研修実施団体の指定状況等及び研修実施予定について」から、販売場を管轄する国税局(国税事務所)のページへ進んで確認します。
▶ 国税庁|酒類販売管理研修実施団体の指定状況等及び研修実施予定について
※ 開催日時は変更されることがあります。また、申込方法(申込書の様式等)は研修実施団体ごとに異なります。研修の受講には事前の申込みが必要です(申込みなしでは受講できません)。
地域別|研修実施予定の確認先
販売場の所在地の都道府県から、管轄の国税局(国税事務所)をお選びください。リンク先の「2 酒類販売管理研修実施団体の実施予定」に、開催日程・会場が掲載されています。
| 販売場の所在地 | 確認先(実施予定) |
|---|---|
| 全国 | 国税庁(研修実施団体の指定状況等) |
| 北海道 | 札幌国税局の研修実施予定 |
| 青森県・岩手県・宮城県・秋田県・山形県・福島県 | 仙台国税局の研修実施予定 |
| 茨城県・栃木県・群馬県・埼玉県・新潟県・長野県 | 関東信越国税局の研修実施予定 |
| 千葉県・東京都・神奈川県・山梨県 | 東京国税局の研修実施予定 |
| 富山県・石川県・福井県 | 金沢国税局の研修実施予定 |
| 岐阜県・静岡県・愛知県・三重県 | 名古屋国税局の研修実施予定 |
| 滋賀県・京都府・大阪府・兵庫県・奈良県・和歌山県 | 大阪国税局の研修実施予定 |
| 鳥取県・島根県・岡山県・広島県・山口県 | 広島国税局の研修実施予定 |
| 徳島県・香川県・愛媛県・高知県 | 高松国税局の研修実施予定 |
| 福岡県・佐賀県・長崎県 | 福岡国税局の研修実施予定 |
| 熊本県・大分県・宮崎県・鹿児島県 | 熊本国税局の研修実施予定 |
| 沖縄県 | 沖縄国税事務所の研修実施予定 |
オンライン(eラーニング)で受講する場合
会場に足を運ばずに受講したい方は、全国小売酒販組合中央会が実施する「酒類販売管理研修(eラーニング研修)」が利用できます。パソコン・タブレット・スマートフォンで講義動画を視聴し、Partごとのチェックテストに合格しながら進め、すべて修了すると「酒類販売管理研修受講証(PDF)」が発行されます。会場で受講する集合研修と、修了後に得られる実績は同じです。
※ 対象地域は順次拡大されており、受付状況は時期によって変わります。ログイン時や講義・テスト中に顔認証を行うため、カメラ付きの端末が必要です。また、テキスト等の発送に10日程度かかるため、次回の受講期限が3週間以内に迫っている場合は集合研修をご検討ください。
受講費用と経費処理・持ち物
受講費用と持ち物
受講費用は地域や実施団体によって異なりますが、3,000~5,000円程度です。
当日は以下のものを持参します。
・受講申込書
・本人確認書類(運転免許証など)
・筆記用具
・受講料(事前振込または当日現金)
※持ち物は実施団体の案内をご確認ください。
【会計・経費処理での一般的な扱い】
事業でお酒を販売するために受講する研修費用や会場までの交通費は、一般的に事業上の経費(損金)として計上されます。
・勘定科目の例:一般的には「研修費」「雑費」などで処理されるケースが多いです。
・会場までの交通費:「旅費交通費」として扱われます。
・受講時の控え:交付される「酒類販売管理研修受講証」や領収書は、支払いの証明および免許要件の証明となるため大切に保管しておきましょう。
※個別の会計処理や税務上の判断については、担当の税理士や所轄の税務署へご確認ください。
研修の有効期限と再受講(3年ルール)
酒類販売管理研修の有効期限は3年間です。 酒類小売業者は、前回の受講日から3年を超えない期間ごとに、定期的に再受講させなければなりません。
受講義務を怠るとどうなる?
再受講を怠った場合、直ちに資格が失効するわけではありませんが、法的義務違反となります。 税務署からの指導・勧告・命令の対象となり、命令に違反した場合は50万円以下の罰金や、最悪の場合は酒類販売業免許の取消処分に至るケースもあります。
初めての方へのアドバイス
これから酒類販売業を始める方は、免許申請の段階で「誰を酒類販売管理者にするか」をあらかじめ決定し、申請前または営業開始までに研修を受講しておくスケジュールを組みましょう。
管理者には特別な国家資格などは不要ですが、法令順守意識と責任感が求められます。 研修内容は実務に即しており、未経験の方でも理解できる内容ですので安心してご受講ください。
まとめ:免許取得後も重要な法的義務
酒類販売管理者制度および定期的な研修受講は、酒類販売業免許を維持・運用していく上で避けて通れない法的ルールです。
選任の届出(2週間以内)や、3年ごとの再受講期限をうっかり過ぎてしまわないよう、事業計画と合わせて管理体制を整えておきましょう。
よくある質問(酒類販売管理研修)
みのり青山行政書士事務所 代表紹介
| 事務所名 | みのり青山行政書士事務所 |
|---|---|
| 代表者 |
大谷 賢司(特定行政書士・申請取次行政書士) 東京都行政書士会登録 第24081669号 |
| 役職・所属団体 | 東京都行政書士会渋谷支部 理事 |
| 学歴・保有資格 |
早稲田大学商学部卒業、同大学ビジネススクール(MBA)修了 日本ソムリエ協会認定ワインエキスパート 日本シードルマスター協会認定シードルアンバサダー |
| 主な実績・講演歴 |
・2025年10月、2026年6月 渋谷区創業セミナー(特定創業支援等事業)にて講師を担当 ・2022年 日本ソムリエ協会「ワイン検定ブロンズクラス」講師を担当 |
| 所在地 |
〒150-0043 東京都渋谷区道玄坂一丁目15番3号 プリメーラ道玄坂329 |
ビジネスモデル別 酒販免許の基本解説
ご自身のビジネスに合わせた最適な免許の基本情報と、解説動画をまとめています。
飲食店への販売は「卸売」ではなく「小売免許」?よくある誤解を解説
酒類販売業免許を検討される際、「飲食店にお酒を卸すのだから卸売免許が必要なのではないか」と誤解されるケースが非常に多く見られます。
結論から申し上げますと、飲食店やレストラン、バーなどの事業者に対してお酒を販売する場合に必要なのは「卸売免許」ではなく、「一般酒類小売業免許」または「通信販売酒類小売業免許」といった「小売免許」になります。
卸売免許(洋酒卸売業免許や全酒類卸売業免許など)は、主に酒販店やコンビニエンスストアなどの「酒類販売業者(酒類小売業免許を持っている業者)」に対して販売するための免許です。飲食店への販売を検討されている場合は、ご自身の販売方法(店舗での対面販売か、EC・ネット通販か)に合わせて、適切な小売免許を取得する必要があります。
行政書士選びで失敗したくない方へ
酒販免許(酒類販売業免許)は、書類の記載不足や要件の読み違いがあると、税務署からの補正や追加資料の提出で開業が遅れ、場合によっては免許要件を満たさないまま準備を進めてしまうことにもなりかねません。だからこそ、法律の知識だけでなく「お酒という商品の特性」と「実際の流通現場」を理解し、提出前に要件の充足を見極められる専門家に任せることが、免許取得と開業への最短ルートです。当事務所が選ばれている理由を、3つにまとめました。

酒類販売業免許に特化
酒類販売業免許の審査では、事業としての継続性が見られます。どの品目のお酒を、どのように販売して利益を出していくのか。お酒は品目ごとに売り方も違うからこそ、その商売の中身まで分かっていることが審査を左右します。お酒の実務を踏まえ、事業計画を申請内容に正確にわかりやすく落とし込むことで、審査をスムーズに進めます。
事業内容に応じた最適な提案
酒類販売業免許は、取り扱う酒類の品目や、自ら輸入するかどうかによって、必要となる免許が変わります。複数の免許を組み合わせて申請する場面も少なくありません。ビジネスプランを伺ったうえで、必要な免許と要件を一つずつ切り分け、最適な組み合わせを設計します。


万が一のときの「報酬全額返金」保証
ご依頼いただいた案件にはいつもベストを尽くし、結果にも責任を持ちます。まずは今のご状況を伺い、取得可能性を確認したうえで申請し、免許を万が一取得できなかった場合は報酬を全額返金。初めての方にも安心してご相談いただけます。
※公的書類取得の法定費用(実費)は除きます。
当事務所では、一件一件、要件の確認や事前準備を丁寧に行ったうえで受任・申請を進めています。これまで、受任した酒類販売業免許申請においては、すべて免許を取得できています。
「法律の専門家」としてだけでなく、「お酒のビジネスパートナー」として、あなたの事業プランを形にするお手伝いをいたします。
ご依頼の流れ
報酬額一覧(酒類販売業免許)
追加費用は一切かかりません
原則としてお見積りした金額以外に追加の費用をいただくことはございません。(※同時申請・出張対応等を除く)
公的書類の取得費用などもすべて含まれています。
報酬額と登録免許税を、取得したい免許ごとに一覧でまとめています。
「自分にはどの免許が必要か分からない」という方も、初回無料でご相談いただけます。
一般酒類小売業免許 (店舗での販売を始めたい方)
| 当事務所の報酬額(税込) | 150,000円 |
|---|---|
| 登録免許税(国に納める税金) | 30,000円 |
お客様にご負担いただく費用の合計目安:180,000円
※登録免許税(30,000円)は、免許交付時に税務署から届く納付書により、金融機関(銀行・郵便局)または税務署の窓口でお客様が納付するものです。当事務所の報酬ではございません。なお、当事務所の報酬には公的書類の取得費用などもすべて含まれておりますので、原則としてご提示した金額以上の追加費用は一切かかりません。
通信販売酒類小売業免許 (EC・通販で販売したい方)
| 当事務所の報酬額(税込) | 150,000円 |
|---|---|
| 登録免許税(国に納める税金) | 30,000円 |
お客様にご負担いただく費用の合計目安:180,000円
※登録免許税(30,000円)は、免許交付時に税務署から届く納付書により、金融機関(銀行・郵便局)または税務署の窓口でお客様が納付するものです。当事務所の報酬ではございません。なお、当事務所の報酬には公的書類の取得費用などもすべて含まれておりますので、原則としてご提示した金額以上の追加費用は一切かかりません。
一般酒類小売業免許 + 通信販売酒類小売業免許 (店舗+通販を同時に申請したい方)
| 当事務所の報酬額(税込) | 183,000円 |
|---|---|
| 登録免許税(国に納める税金) | 30,000円 |
お客様にご負担いただく費用の合計目安:213,000円
※登録免許税(30,000円)は、免許交付時に税務署から届く納付書により、金融機関(銀行・郵便局)または税務署の窓口でお客様が納付するものです。当事務所の報酬ではございません。なお、当事務所の報酬には公的書類の取得費用などもすべて含まれておりますので、原則としてご提示した金額以上の追加費用は一切かかりません。
洋酒卸売/輸出入卸売/自己商標酒類卸売業免許 (卸売・輸出入関連)
| 当事務所の報酬額(税込) | 170,000円 |
|---|---|
| 登録免許税(国に納める税金) | 90,000円 |
お客様にご負担いただく費用の合計目安:260,000円
※登録免許税(90,000円)は、免許交付時に税務署から届く納付書により、金融機関(銀行・郵便局)または税務署の窓口でお客様が納付するものです。当事務所の報酬ではございません。なお、当事務所の報酬には公的書類の取得費用などもすべて含まれておりますので、原則としてご提示した金額以上の追加費用は一切かかりません。
全酒類/ビール卸売業免許 (より広い卸売免許)
| 当事務所の報酬額(税込) | 270,000円 |
|---|---|
| 登録免許税(国に納める税金) | 90,000円 |
お客様にご負担いただく費用の合計目安:360,000円
※登録免許税(90,000円)は、免許交付時に税務署から届く納付書により、金融機関(銀行・郵便局)または税務署の窓口でお客様が納付するものです。当事務所の報酬ではございません。なお、当事務所の報酬には公的書類の取得費用などもすべて含まれておりますので、原則としてご提示した金額以上の追加費用は一切かかりません。
※全酒類およびビール卸売業免許の申請には、税務署による抽選プロセスがございます。時期や要件、手続きの進め方によってプロセスが異なるため、詳細についてはお問い合わせください。
個別相談 (書類作成・申請アドバイス)
| 相談料(税込) | 11,000円 / 1時間 |
|---|
- 登録免許税は免許付与時に別途お客様にて税務署にお納めいただきます
- 2種類の免許の同時申請:1免許増えるごとに33,000円(税込)追加となります
- 出張対応:片道1時間以上の場合は別途ご相談させていただく場合がございます
- 登録免許税:販売場1ヶ所ごとに必要です
業務に含まれる内容
- 申請要件に適合しているかの事前確認
- 税務署との事前相談
- 申請に伴う各種書類の準備・作成
- 申請に必要な証明書類の取得代理(登記関連書類、納税関連書類)
- 上記書類の取得費用(印紙代等)
- 免許申請
- 免許通知書受け取りの同行
はじめての申請でも、安心してご相談いただけます
免許を取得できなかった場合の「報酬全額返金」保証
当事務所が「免許取得可能性が高い」と判断して申請に至ったにもかかわらず、万が一、免許が取得できなかった場合には、「報酬額」を全額返金いたします。
(公的書類取得の法定費用は返金の対象外となります。また、事前にいただいた情報に虚偽があった場合や、取得可能性が低いことを事前にお伝えしていた場合等は除きます)
初回相談無料
必要な免許区分、概算費用、取得の見込みを初回相談無料でご案内します。
