イベント会場での酒類販売の締切|期限付酒類小売業免許の逆算スケジュール

イベント会場(博覧会場・即売会場等)で未開封の缶・瓶・ボトル入りのお酒を販売する場合、酒類販売業免許を持っている事業者でも、原則として「期限付酒類小売業免許」の手続きが必要です。この記事では、手続きの締切をイベント開催日から逆算して整理します。

【結論】博覧会場等で臨時に酒類を販売するときは、原則として、期限付酒類小売業免許を販売場を開設する日の2週間前までに申請します。一定の要件をすべて満たす場合は、開設日の10日前までの届出で免許を受けたものとして取り扱われます。

期限付酒類小売業免許の全体像はこちらの記事をご覧ください。

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申請と届出の関係

国税庁の案内では、博覧会場等で臨時に酒類を販売するときは期限付酒類小売業免許を受ける必要があり、原則として、販売場を開設する日の2週間前までに申請します。そのうえで、一定の要件を満たす場合には、開設日の10日前までに届け出ることで、期限付酒類小売業免許を受けたものとして取り扱うとされています。
酒類販売の免許の種類は👉酒類販売業免許の種類を完全ガイドに解説しています。

手続き締切内容
申請(期限付酒類小売業免許)開設日の2週間前まで事前審査が必要な一般手続き(届出要件を満たさない場合)
届出開設日の10日前まで簡略化された手続き(一定の要件を満たす場合)

申請・届出のどちらになるかは、国税庁の判定表(フローチャート)に沿って確認します。判定表の内容を表に整理すると、次のとおりです。

👉期限付酒類小売業免許について(国税庁)

共通確認事項(申請・届出)

番号確認事項判定
1他の場所で免許を受けた酒類製造者または酒類販売業者が自ら販売するか4項目すべて「はい」→ 次の届出要件の確認へ
1つでも「いいえ」→ 酒類を販売できない場合があります。最寄りの酒類指導官設置税務署にご相談ください
2酒類の小売目的が、特売または在庫処分等に当たらないか
3イベント等の開催期間または開催期日が、あらかじめ定められているか
4博覧会場等の管理者(イベントの主催者等)との間の契約等により、販売場の設置場所が特定されているか

免許を持っていない事業者の場合

この手続きは、原則として、すでに酒類製造免許または酒類販売業免許を持っている事業者が対象です。国税庁の判定表でも、最初の確認事項が「他の場所で免許を受けた酒類製造者または酒類販売業者が自ら販売するか」となっており、既存免許がない場合は「酒類を販売できない場合があります。最寄りの酒類指導官設置税務署にご相談ください」とされています。

※野球場等の競技場、遊園地、キャンプ場、スキー場、海水浴場など、季節的または臨時に人が集まる場所で、現に固定した店舗を設けて清涼飲料・嗜好飲料の販売を業としている方(海の家、スキー場の売店など)は、販売場廃止後の酒類の引渡先と引渡期日を定め、引渡先が確実に引き取る旨の確約書を提出すれば、既存免許がなくても期限付免許を受けられる可能性があります。

👉期限付酒類小売業免許について

届出に必要な要件(5項目すべて「はい」なら届出)

番号要件判定
1前1か月以内に、同一場所で販売場を開設するための届出をしていない5項目すべて「はい」→ 届出(開設日の10日前まで)
1つでも「いいえ」→ 申請(開設日の2週間前まで)
2販売期間が10日以内(連続した日であることは求められない)
3開催期間または開催期日が、客観的に明瞭である
4販売する酒類の品目が、既存免許の品目と同じである
5イベント会場以外の場所へ酒類を配達しない(購入者が宅配便等を利用する場合を除く)

※1の「同一者・同一場所での届出」は、販売場を開設する日から起算して1か月以内に1回までです。前回の出店から1か月以内に同じ会場へ出店する場合は要件1を満たさず、届出ではなく申請になります。

届出に必要な要件は5つあり、1つでも満たさない場合は申請になります。なお、申請・届出の提出先は、イベント会場の所在地を管轄する税務署です(既存免許の申請先とは別の税務署になる場合があります)。

逆算スケジュール

下表の締切は、いずれも「販売場を開設する日」(イベント初日)を基準に逆算します。

時期やること内容
出店計画の早い段階共通確認事項をチェック上の判定表の1〜4を確認します。手続き以前の前提条件のため、出店契約の前に確認します。1つでも該当しないと、販売できない場合があります。
約2〜3か月前主催者との出店契約・場所の確定契約書等で販売場の設置場所を特定しておきます。
約1〜2か月前品目・期間の確定届出の場合は「販売期間が10日以内」「品目が既存免許と同じ」が要件になります。この時点で取扱品目と販売期間を確定させておくと、手続きの種類が判断しやすくなります。
約1か月前届出要件の判定・手続き準備届出要件の残りの項目(直近1か月の同一場所届出の有無など)も含めて判定し、申請・届出のどちらの書類を準備するかを確定させます。
手続きとあわせて酒類販売管理者の選任臨時販売場では、原則として新たに酒類販売管理者を選任します(研修受講済みの者を選任。販売業務開始までに選任し、選任後2週間以内に選任届出書を提出)。例外的に、既存販売場の管理者の重複選任が認められる場合もあります。
👉酒類販売管理研修とは?もご確認ください。
開設日の2週間前まで【申請】税務署へ申請申請から交付までには処理期間があるため、書類の準備はその前から着手します。
開設日の10日前まで【届出】税務署へ届出届出要件をすべて満たす場合の手続きです。
開催日以降手続き内容どおりに実施品目・期間・場所・配達の有無など、手続き内容からの変更には注意します。

ケース別の逆算例

ケース①:3日間のマルシェに出店(届出に該当する例)

条件の例:販売期間3日/品目は既存免許と同じワインのみ/同一場所で直近1か月以内の届出なし/会場外へ配達しない/開催期間・場所が契約書等で特定済み。

逆算やること
開催90日前主催者と契約締結、出店場所を特定
開催60日前販売するワインの品目確認(既存免許と同一か)
開催30日前判定表の要件を確認し、届出に該当することを確定
開催10日前まで税務署へ届出を提出
開催日3日間、届出内容どおりに販売

販売期間が短くても、届出の要件はほかにもあります。たとえば直近1か月以内に同じ場所で届出していた場合(前のイベントで出店していた等)は、同一者・同一場所での届出は1か月以内に1回までのため、届出の要件を満たしません。この場合は申請での対応を検討することになります。連続出店や毎週開催の会場では、前回の届出日との間隔を先に確認しておくと、判定が早く済みます。

ケース②:2週間のスタジアム販売(申請になる例)

条件の例:販売期間14日。この場合、届出要件の「販売期間が10日以内」に該当しないため、期限付酒類小売業免許の申請が必要です。

逆算やること
開催90日前主催者(スタジアム運営側)と契約締結、売場を特定
開催60日前品目の確認
開催30日前ごろ申請書類の準備に着手
開催14日前まで税務署へ期限付酒類小売業免許を申請
免許交付後から開催日免許の範囲内(特定の場所・期間)で販売

「2週間前まで」は申請の締切です。申請から交付までには標準的な処理期間があり、書類の補正が発生した場合は追加のやり取りが必要になるため、可能であれば余裕をもって早めに申請します。

その他の免許のスケジュールに関しては👉一般の酒類販売業免許の申請の流れ・所要期間をご確認ください。


よくある質問

販売期間が10日を超える場合はどうなりますか?

届出の要件に該当しなくなるため、期限付酒類小売業免許の申請(開設日の2週間前まで)での対応になります。

グラスに注いで提供する場合も、期限付酒類小売業免許の申請が必要ですか?

期限付酒類小売業免許の手続きは不要です。

利き酒・生ビールの注ぎ売りなど、その場でグラスやコップに注いで飲用として提供する場合は、手続きは不要です。ただし、保健所の飲食店営業許可や臨時出店届などが別途必要になります。未開封の缶・瓶・ボトルをそのまま販売する場合は、期限付酒類小売業免許が必要です。

酒類販売業免許を持っていない事業者でも、この手続きはできますか?

いいえ。原則として、すでに酒類製造免許または酒類販売業免許を持っている事業者が対象です。

既存免許のない事業者は、最寄りの酒類指導官設置税務署にご相談ください。例外的に、季節的・臨時的に人が集まる場所で固定店舗により清涼飲料等の販売を業としている方には、引取確約書等の提出により免許が認められる場合があります。

新たに免許を取得する場合は👉酒類販売業免許は「何から始める?」 失敗しない選び方ガイドをご確認ください。

まとめ

手続きの進め方は、まず国税庁の判定表に沿って申請・届出のどちらに該当するかを確認し、そのうえで締切にあわせて準備を進める、という順番です。どちらに該当するかの判断や日程の相談は、当事務所までお気軽にお問い合わせください。

料金の詳細は料金・費用のページをご覧ください。

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